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NIPT(新型出生前診断)って何?【2024年10月時点】

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こんにちは!編集長のもみじです!

もみじ l 妊娠出産メディア編集長 l 切迫早産で3ヶ月自宅安静、3歳児の母 l マタニティケアラー資格取得 l SNSフォロワー1,000人超え

2022年7月1日より、NIPT(新型出生前診断)の新指針が適用、施行され、受検できる認証病院の拡大、受検条件の緩和が起きました。ここでは今までと比較してどういった変更があったのかについて解説していきます。

ネットの情報はアップデートできていないものも多いです。このページで最新情報をチェック!

新型出生前診断(NIPT)の受検について検討している方へ

認可外施設は特定の3項目以外も検査ができる柔軟な姿勢を取っているのが特徴。その中でも検査費用とサポートの手厚さのバランスがとれているのがミネルバクリニック

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NIPT(新型出生前診断)とは?

従来の出生前診断との違い

NIPTとは、Noninvasive prenatal genetic testingの略です。

直訳すると、非侵襲的(noninvasive、生体を傷つけないような)出生前( prenatal)遺伝的(genetic)検査(testing)となります

一般的には、新型出生前診断と言われますが、これは従来の出生前診断と区別するための呼称です。

そもそも出生前診断とは、胎児の発育や異常の有無を調べ、医師が行う診断のこと全般を指します。

ですから全ての妊婦が受ける超音波検査や胎児心拍数モニタリングもこの中に含まれます。ただここで、特に新型出生前診断(NIPT)と比較される出生前検査は、染色体異常を調べるための検査、絨毛検査や羊水検査と呼ばれるものにあたります。

  • 絨毛検査は妊娠10週から13週頃
  • 羊水検査は妊娠15週以降

に行うことができる検査です。それぞれ妊婦のお腹に針を刺して絨毛検査であれば胎盤を形成する前の胎児に由来する細胞(絨毛のこと)を採取し、羊水検査であれば羊水を採取し検査することで染色体異常や遺伝子疾患を診断しています。

羊水検査や絨毛検査は精度が高く異常をほぼ正しく発見できる面がある一方で、針を刺して検体を採取することで流産を引き起こしたり、胎児が死亡するリスクがあります。

NIPT検査の概要

出生前診断と比較される新型出生前診断(NIPT)とはどんな検査かというと、「妊娠10週0日以降の妊婦の血液を採取、血中の胎児DNAを分析」することで、胎児が染色体異常や遺伝子異常を持っていないか調べるものです。

母体に直接穿刺をして細胞や羊水を採取する出生前診断と異なり、胎児への影響はありません。ただ、NIPT自体、精度が高い検査にはなりますが、胎児の細胞などを直接採取する出生前診断と比べると若干精度が落ちてしまいます。

非確定検査

NIPT検査は診断が確定できないとされる「非確定検査」扱いになってしまい、万が一検査結果が陽性となってしまった場合には穿刺を行う検査が改めて必要になってきます。

しかしNIPTが非確定診断であっても、穿刺を行う絨毛検査、羊水検査よりも早い時期に、そして母体、胎児ともにリスクの少ない形でおおよその診断ができるという点においては十分受けやすい検査ではないでしょうか。

NIPT(新型出生前診断)の最新情報

2023年3月版

厚生労働省の資料によると令和4年度に16,693百万円だった予算が令和5年度には17,685百万円へ拡大し、その中にはNIPTに関する内容も含まれています。具体的には

  • 相談支援
    NIPT検査受検者・検討者に相談支援をすること、障害福祉関係機関等の紹介をすること
  • 相談支援員への研修など
    NIPTに関する知識の習得、関係機関との連携を行うために必要となる事務等に対する補助

という二点が挙げられています。

2022年11月版

認証施設が更に増え、基幹施設169施設とあわせて373施設となりました。認証施設は204施設となり、続々と拡大を見せています。(東洋経済記事より)

2022年7月版

現在、出生前診断、とくにNIPTに対する正しい情報を提供する、また遺伝カウンセリング体制などがしっかり整えられている認証施設での受検を促すべく、広報啓発活動が始まっています。市町村での母子手帳交付時に情報提供チラシの配布を行うことを手始めに、子育て世代包括支援センターなどでも順次情報提供が行われていきます。

認可条件が緩和され、認可施設が全国に広がる

また日本医学連合会による認証施設を増やす取り組みもされています。それまで施設側に課していた認証の条件も緩和されました。

遺伝医療の専門医が常勤していなければ認証が受けられなかったところを、研修を受けた産科医が在籍し基幹施設*と連携ができることを条件に認可が下りるようになったのです。

基幹施設
遺伝医療の専門医が常勤しているなどの条件を満たした医療機関

旧基準下においては108の医療機関が認証を受けていましたが、新しい基準のもと、169の施設が認証され運用開始となっています。さらにこれまで青森県、群馬県、長野県など7県は認証施設がありませんでしたが、本運用により認証施設が全国に広がることになりました。

任意検査に変わりはない

このように認証施設の門戸を日本医学連合会が広げた背景には、先にも触れましたが、NIPT希望者が増えたことに伴い、認可外の施設での受検が増え混乱が生じたことがひとつの要因です。

不安を抱える妊婦にとって門戸が開かれ、より安心な場所で受検できるようになったことは進歩と言えるかもしれません。

しかし以前に比べて受けやすくなったからとはいえ、受検必須というわけではありません。NIPT検査取扱い施設の増加とともに検査に関する情報も増えています。正しい情報を取捨選択するためにも、出生前検査の受検対象期間になる前から考えておくことが必要ではないでしょうか。

続々アップデートされるNIPT(新型出生前診断)の情報!

もう少しNIPT検査について知りたい、という方のために検査条件が変わる前の内容も記載します。

従来の検査条件

NIPTを受けられる病院・施設には大きく分け認可施設、認可外施設があります。これは日本医学連合会が認証しているか、いないかの違いです。

認可外施設では検査を受けるにあたり条件はなく、本人が希望すれば受検できます。認可施設でNIPT検査が選択肢となる方については、以下の5項目が挙げられていました。

  • 胎児超音波検査で染色体数的異常を有する可能性が示唆された
  • 母体血清マーカー検査で染色体数的異常を有する可能性が示唆された
  • 今までに染色体数的異常を有する胎児を妊娠したことがある
  • 高齢妊娠
  • 両親いずれかが均衡的ロバートソン転座を有しており、胎児にも異常が生じる可能性がある

つまり、相対的に見て染色体疾患のリスクが高いと想定される方ということですね。

2022年2月以降の改正

年齢制限の撤廃

近年の傾向として初婚年齢の上昇、そして出産年齢の高齢化があります。これに伴いNIPTを希望する妊婦が増えた結果、遺伝カウンセリングを十分に行う体制にない無認可施設も増えてきました。

その結果、そういった無認可施設で受検した妊婦で陽性が出た人の多くは、十分なカウンセリングを受けられないなどといった混乱が現場で生じる事態が起きています。

この混乱を防ぐべく、日本医学会は指針を幾度となく変更しています。

この変更により認可施設で検査を受けるための条件、35歳以上という年齢制限が撤廃されました。ただし35歳未満で受検を希望する妊婦さんへは特に検査に対する十分な説明と適切な遺伝カウンセリングを最初に実施することが日本医学会より求められています。

適切な遺伝カウンセリングを受けてもなお染色体数的異常への不安が払拭されない場合に限り受検することが可能となったのです。

ただし、NIPTは妊婦の年齢が低下するほど陽性的中率は低下し、偽陽性が増えるといった検査の限界もあります。不安がある場合はまず遺伝カウンセリング。納得の上で受検をするようにしてくださいね。

NIPT(新型出生前診断)を検討する際に考えたいこと

なぜ検査を受けたいのか

ではNIPT受検を検討にするにあたり、どんなことを考える必要があるのでしょうか。それは第一に「なぜ検査を受けたいのか」という点です。先に挙げた、NIPT受検が選択肢となる項目は以下のものでした。

  • 胎児超音波検査で染色体数的異常を有する可能性が示唆された
  • 母体血清マーカー検査で染色体数的異常を有する可能性が示唆された
  • 今までに染色体数的異常を有する胎児を妊娠したことがある
  • 高齢妊娠
  • 両親いずれかが均衡的ロバートソン転座を有しており、胎児にも異常が生じる可能性がある

これらのいずれかに当てはまり、不安に駆られている。そういった状況を解消するための検査であると考える方もいらっしゃるでしょう。

また同時にローリスクの血液検査であるためちょっと受けてみたい、と軽い気持ちで検討されている方もいるのではないでしょうか。受検した結果が何をもたらすのかということを考えて受検する必要があるかと思います。

今回のNIPT検査で何を重視したいのか

何を知りたいのか

次に考えなければならないのは「何を検査で知りたいのか」ということです。

まず、認可施設でNIPT検査をしてわかるのは以下の3つの染色体疾患です。

  • 13トリソミー(パトウ症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 21トリソミー(ダウン症候群)

これら3疾患以外の疾患については分析的妥当性、臨床的妥当性が十分確立されているとは言えないことからこれら3項目に限られています。

その一方で、認可外施設ではより広範囲にわたる検査が行われています。

何が最優先なのか

しかし認可外施設では遺伝カウンセリングが充実しているとは言えず、また検査後の母体・胎児へのケアを考えたときに確実に手厚いサポートが受けられるとは断言できません。

認可施設では一定水準のサポートが受けられることがメリットですが、検査項目は限られた3項目だけとなります。また複数回の来院が必要など妊婦さんにかかる負担が大きいことも挙げられます。

認可・認可外どちらの施設で受けるにせよ、少なからずメリット・デメリットがあります。ご自身が何を一番優先したいのかを考え、情報収集を進めてくださいね。

検査結果に覚悟を持つ

検査結果が陰性でも陽性でも産みたい。

そういう話をよく耳にします。だからと言ってNIPT検査をしない、というのは少し考えものかもしれません。NIPT検査はママ・パパのため、という側面もありますが、生まれてくる赤ちゃんに最善の準備をする、という赤ちゃんから見たときのメリットという側面もあるからです。

最善の準備ができる

まず一つ目が最善の準備をする、という点です。もし陽性だった場合、小中規模の産院から大規模な産院に転院することで、施設・対応する人が備わっている施設を準備することができます。

覚悟ができる

二つ目に親の目線から考えたときに、生まれてくる子がどんな子でも覚悟ができる、という点です。もしリスクを抱えている子が生まれてきた場合、出産後に知っているかいないかでは心の持ち方に雲泥の差があります。

受検後陽性だった場合

最後に最も大事なことは、受検後陽性であった場合どうするかということです。

NIPTは非確定診断であるため、確定診断(羊水検査、絨毛検査)を受けることで診断を下すことができます。では確定診断でも陽性となった場合はどうするのか。

選択肢としては

  • 妊娠継続を行うか
  • 妊娠中断を決断するか

になります。もちろんしっかりとした遺伝カウンセリングを受けて決定していくことになっていきますが、もしも安易に受検して陽性となった場合、重い決断が求めらることは想像に難しくありません。簡便に検査できるからこそ、その後どうなるか。どうするかについてあらかじめ考えておく必要があると言えるでしょう。

このようにNIPT受検自体はハードルが低くなったと言えますが、検討しておかなければならないことは多岐に渡ります。妊娠して検査対象期間になってから自分はどうしたいのか考えるのではなく、妊娠を視野に入れた時点から検討し始めることが望ましいのではないでしょうか。

陽性後も妊娠継続する場合

陽性判明後、妊娠を継続する方も一定数いらっしゃいます。産前にリスクを有すると分かった場合、以下のメリットがあります。

病院を転院し、万が一の事態に備える

一番大きなメリットはこれではないでしょうか。小規模、中規模の産院で分娩予定だった方は予め大きな施設に移り、リスクに備えることができます。

病気に備えることができる設備・マンパワーがあるということは心理的にも安心できるのではないでしょうか。

胎児手術を検討できる

まだ症例は多くありませんが、妊婦さんのお腹の中いる胎児に対し手術を行う、胎児手術という選択肢もあります。胎児の救命や症状の改善が見込め、明るい話題ではないでしょうか。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211215/k10013388511000.html

いかがでしたか?

妊婦やその家族の不安を解消する一つの手段であるNIPTを安心・安全に受検できる門戸が広がったということは喜ばしいことであるかと思います。同時に受検者とその家族が正しい知識を得て、行動していくことが必要となります。妊婦、赤ちゃん、家族にとってより良い方法を選択できるといいですね。

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