もみじ l 妊娠出産メディア編集長 l 切迫早産で3ヶ月自宅安静、3歳児の母 l マタニティケアラー資格取得 l SNSフォロワー1,000人超え
出生前診断である新型出生前診断(NIPT)と絨毛検査はよく比較されることの多い検査です。これらの検査はそもそも一体どんなものなのか。検査でわかることをはじめ、実際に検査を受けた先輩ママの声をあわせてご紹介します。
NIPT(新型出生前診断)とは
NIPTの概要
NIPTとは新型出生前診断のことです。無侵襲的出生前遺伝学的検査(Noninvasive Prenatal Genetic Testing)の略なのですが、無侵襲的=身体を傷つけないようなという意味であるので、体を傷つけることなく、遺伝に関する検査を実施できます。
具体的な検査方法は、妊娠中のママの腕から採血をするだけで、採取した血液の中に含まれる赤ちゃんのDNAを判別し分析をします。またNIPTは日本においては2013年から一部医療機関で提供が開始した遺伝性疾患を発見するためのスクリーニング検査です。
スクリーニング検査とは疾患の有無がわからない無症状者に対して、疾患の疑いを発見することを目的として行う検査のことで、NIPTを実施することで21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)の疾患の可能性の有無が陽性、陰性という形で出てきます。
ですからNIPT受検をしてもらった結果が陽性であったとしても、それは該当疾患の可能性があることがわかるだけで、間違いなくその疾患が生じているというわけではありません。
NIPTの検査精度は国内どこの施設で受検しても90%を超えるとされていますが、精度が高いからといってほぼ確実に陽性であることを診断する確定診断になるわけではありません。NIPTで指摘された陽性の結果を確定させるために羊水検査や絨毛検査を受けることが勧められるのはこういった理由からです。
NIPT検査はおおよそ妊娠10週から可能で、検査結果は、受検施設によって異なりますが、1週間から3週間ほどで受け取ることができます。
ママの体への負担が少なく、流産の心配がほぼない検査であり、受検理由がはっきりしていれば誰でも検査を受けることが可能なNIPTですが、「自分は検査を受けることで何を得たいのか。結果が陽性で合った場合どうしたいのか。」についてしっかり考えてから受検できるといいですね。
絨毛検査とは
絨毛検査の概要
絨毛検査とは染色体異常疾患があるかないかを確実に調べることが可能な確定的検査の一つです。診断結果については採血した血液から判定するNIPTとは異なり確実な結果、確定診断となります。
妊娠初期に子宮内に作られる胎盤が作られますが、胎盤は臍帯を介してママと赤ちゃんを繋ぐ役割を果たし、ママの組織である脱落膜と赤ちゃんの組織である絨毛膜、羊膜の三層からできています。絨毛検査とは、この赤ちゃんの組織である絨毛を採取した上で染色体診断、遺伝子診断を行う検査です。
絨毛の採取方法は羊水検査と同じくママのおなかの上からエコーで確認しながら腹部から針を刺し絨毛を採取する経腹法と、ママが内診台に乗った状態で婦人科的診察をする状態でエコーを確認しながら膣、子宮頸管、胎盤の順に絨毛生検鉗子を挿入して絨毛を採取する経膣法の2種類があります。経腹法、経膣法どちらになるかは胎盤の位置によって決まるのでママ自身が選ぶことはできません。
検査可能時期は妊娠10週から13週ごろとされ、同じ確定的検査である羊水検査と比較して早期に確定診断を下すことができるメリットがあります。また、絨毛検査の方が羊水検査と比べた時に採取できる赤ちゃんの細胞が多いため、遺伝子検査に向くとされています。
ただし、絨毛検査は羊水検査と比べて手技が難しく、実施可能な施設が羊水検査が可能な施設に比べると少ないため、希望者が絨毛検査を受けられるかどうかは通っている施設や地域によるところがあります。
また、絨毛は赤ちゃんに由来する細胞ではありますが、赤ちゃん自身の細胞ではなく、胎盤の細胞であることから「胎盤限局モザイク」と呼ばれる「赤ちゃんに染色体異常を認めないが、胎盤にのみ染色体異常を認める」結果を示すことがあります。
もし胎盤限局モザイクの結果が出てしまった場合には妊娠16週以降に羊水検査を実施する必要が出てくるため、早期に結果がわかるメリットが失われてしまいます。
他にも流産リスクが約1%あったり、出血、破水が起こること、経腹法の場合は穿刺時に針が腸に刺さって腹膜炎を起こすなど合併症が起こる可能性があることが報告されています。絨毛検査は検査結果についてはほぼ確実であり、早期に赤ちゃんの異常が見つけられる検査です。
しかし、ママの体へのデメリットがあること、そして赤ちゃんが流産してしまう危険性があるため、絨毛検査を受ける前に実施された何らかの出生前診断で異常が指摘された方のみが受検可能であるとしている施設が多いようです。
NIPT検査と絨毛検査、どちらがおすすめ?
まず、NIPTと絨毛検査では染色体疾患の有無について診断をくだすという点において同列に議論できるものではありません。ただ、検査可能時期がどちらもおおよそ妊娠10週からと同時期であるため、どちらを受検するか悩まれる方も少なくないかもしれません。
しかし、妊娠早期に染色体異常の不安を感じる方は、絨毛検査は実施できる施設が少ないことに加え受検により約1%の流産の可能性もあることから、まずはNIPTを受検する選択をする方が多いようです。
NIPT検査と絨毛検査を受けた方の口コミ
実際にNIPT検査、絨毛検査を受けた方の口コミを見てみましょう。
NIPT検査
NIPTについて 最初は受けない予定でしたが、夫と相談して受ける事に。9w2dという早い時期での検査の理由など、詳細まとめたよ。
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NIPTを受けることを決められた方のツリーです。陽性であった場合まで検討して受検されているので、今現在検討されている方の参考になるのではないでしょうか。
NIPT陰性だったほっとした~! そして性別は予想してた通りの男の子でした… 検査結果だけ夫に伝えてジェンダーリビール後でしようと思ってたのに携帯で結果見て安心した後、性別男児!!!!!って読み上げてしまった ことごとくサプライズとか出来ない私…
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検査の結果陰性が分かり、素敵なマタニティライフを送っている様子が分かりますね。
《NIPT結果》
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検査した項目については陰性でした!!
とりあえず、一安心。
もちろん検査していない項目もあるし、遺伝性の病気以外にも沢山病気はあるから不安は尽きないけれど、検査したらだいぶ安心出来て、「不安<楽しみ」になりました❣️❣️検索魔でネガティブになっちゃってたから安心要素が出来たのは良かった(後略)
検査の結果を聞いてほっと一安心した、という方の口コミです。
絨毛検査
絨毛検査したクリニック、大学病院の産科の紹介で行ったんやけど 優しい先生で良心的な値段って言ってたけど 初期ドッグ43,000円陽性→ 絨毛検査19万しかもめちゃめちゃ適当な4D写真データ送り付けられて1000円取られる。顔も、うつってない。(後略)
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絨毛検査の値段、医師の対応について書いている方です。実際の様子が細かくレポートされているので自分ならどうするか、と考えさせられます。
絨毛検査終わった。 看護師さんにめっちゃ痛いと脅されてビビってたけど、全然痛くなかった! 全然は嘘やけど筋肉注射より全然痛くない。1回のみ強い痛み。あとはチクチク。 うまいんやろな
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絨毛検査で「痛み」について気になる方もいらっしゃるかと思います。この方は筋肉注射より痛くなかったとレポートされています。
(前略)戻ったらすぐに検査。絨毛検査は夫先生がしてくださるけど、周りに4人くらい先生方が集まって、手術感がすごい。 意外と着替えずに服をずらすだけでOK。(後略)
https://twitter.com/baby20230119/status/1545615570468384768
胎児ドック後、絨毛検査に進まれた方のレポートです。実際の検査の流れがよくわかるので参考になるかと思います。
いかがでしたか?
NIPT、絨毛検査ともにおなかの赤ちゃんの様子を知るための大切な検査です。もし妊娠初期に何らかの不安があった際には受ける、受けないはもちろん自身の自由ですが、自分がどうしたいのかを含めて適切に検査を利用できるといいですね。